写真の方は腰痛を抱えています。
症状としては朝起き上がる時と夜寝転がる時に右の腰に痛みが出ます。
写真の赤い線は重心線と言って、足首の外くるぶしの前側から垂直に線を引いたものです。
理想的な姿勢は重心線が膝の真ん中、股関節の真ん中、肩の真ん中、耳の穴を通ることです。(下のイラスト)
上の写真の方は重心線が肩の真ん中と耳の穴は通っていて良いのですが、膝と骨盤が前に出てしまっています。
これは典型的なスウェイバック姿勢です。
スウェイバック姿勢になると膝、股関節、腰などいろいろな部位に負担がかかりやすくなります。
写真の方はなぜ腰に痛みが出てしまったのか?
写真の姿勢から考えられることは、
・骨盤が前に出ているので、腰を後ろ側に反っている状態になり、腰の椎間関節に常に圧力がかかっていること
・上半身が後ろに倒れないように股関節の前側の筋肉が常に頑張って働いているので、過剰に緊張していること
他にもあると思いますが、腰に負担がかかるという視点で見るとこんな感じでしょうか。
痛みを出している犯人として怪しいのは腰の椎間関節と股関節の前側の筋肉です。
特に股関節の前側の筋肉が怪しいなと思いました。
なぜなら椎間関節にストレスをかけるような検査をしても痛みが誘発されなかったからです。
ちなみに股関節の前側の筋肉はいくつかあります。
大腿直筋、大腿筋膜張筋、小殿筋前部線維、中殿筋前部線維、恥骨筋、長内転筋、腸腰筋
この中で特に怪しいと思ったのが腸腰筋です。
腸腰筋は立っている時には股関節を曲げる時に働く筋肉です。もも上げをするような動作ですね。
しかし、寝ている時は、上半身を起こす時に働く筋肉でもあるのです。上半身を起こすのにもちろん腹筋も使いますが、腸腰筋も使うのです。
この腸腰筋なんですが、腰骨から股関節に向かって付いている筋肉なので、問題を起こすと腰や股関節に痛みを出してきます。
実際に右側の腸腰筋に圧痛がありました。
起き上がる時や寝転ぶ時に、腸腰筋にぐっと力が入り痛みが出ることが考えられます。
なので腸腰筋を緩める必要があります。
しかし、写真を見るように腸腰筋に負荷がかかっている姿勢を改善させることも必要です。
腸腰筋が緩んでも、姿勢が変わらなければ、また腸腰筋に負荷が積み重なり、痛みが改善しにくいですし、再発もしやすくなってしまいます。
スウェイバック姿勢の場合はおしりや太もも裏の筋肉を活性化してあげると改善しやすくなることが多いです。
当院では、痛みを出している問題の部位だけでなく、姿勢や身体の使い方など、問題の部位に負担をかけている原因に対しても改善していく施術を行っています。
そうすることで、再発しにくい身体になり、この先の生活も安心して送れるようになってきます。