前回が骨盤の後傾位、前々回がトレンデレンブルグ徴候という股関節痛の方によくみられる姿勢・歩き方をそれぞれお伝えしてきました。
今回はデュシャンヌ跛行についてとその改善方法です。
デュシャンヌ跛行とは下のイラストのように歩行時に患側の股関節側に上半身を傾けて歩く姿勢の事を言います。
デュシャンヌ跛行になる理由
1.股関節の外転筋の弱化
2.股関節の内転制限
これらが見られる場合はデュシャンヌ跛行になりやすいです。
1.股関節の外転筋の弱化
人は歩く時に必ず片足立ちになる瞬間があります。その時に浮いている脚側の骨盤は地球の重力によって下に引っ張られる力が加わります。その際骨盤が下がらない様に止めているのが股関節の外転筋です。上のイラストで言うと左の股関節の外転筋です。この外転筋が弱くなると骨盤が支えられずに傾いてしまいます。これがトレンデレンブルグ徴候です。デュシェンヌ跛行は骨盤を傾かせるのではなく上半身の重心を患側の股関節側に傾かせ骨盤を水平に保とうとする歩行のことです。
2.股関節の内転制限
股関節の内転とは下肢を内側に曲げることを言います。下のイラストの1番右側の動きです。
歩く時にはこの内転の動きが4~5度必要なんです。
人は歩く時片脚立ちになるタイミングで微妙に骨盤を水平移動させるています。そうすることで股関節や膝など身体への負担を最小限で済ませようと調整しています。
この骨盤の微妙な水平移動をするときに股関節の内転が4~5度必要になるんです。
しかし、この内転の動きが硬くなると骨盤の水平移動が難しくなり、上半身を傾かせて代償しようとします。
内転の動きが硬くなる原因としては股関節の外側の筋肉や靭帯の硬さで起きます。
股関節の内転動作を硬くする筋肉
・大殿筋
・中殿筋
・小殿筋
・大腿筋膜張筋
これらの筋肉に硬さや滑走障害が起きると股関節の内転動作が硬くなります。
デュシャンヌ跛行になると股関節だけでなく腰や膝にも負担がかかりやすくなります。
デュシャンヌ跛行かどうかチェックするにはどうしたらいいのか?
歩行を動画で撮ってもらってチェックしてもいいのですが、微妙な動きだったりするので、やはり専門の先生に診てもらうのが一番ですね。そのまま施術もしてもらえますし。
デュシャンヌ跛行改善のセルフケア
中殿筋のトレーニングの動画はこちら
骨盤の水平移動のトレーニングの動画はこちら
※今のお身体の状態に合わず痛みが改善しない、強くなるといった場合もございます。そういった場合は専門の先生にすぐご相談ください。