ぎっくり腰の経験がある方は、わかると思いますが、あの辛い痛みは繰り返したくないですよね。
仕事にも影響が出ますし、ひどいと歩くのもやっとで、這いつくばってトイレに行くなんていうこともあります。
そんなぎっくり腰。
繰り返してしまう原因とは何なのか?
繰り返さないために何をすればいいのか?
そんな内容を今回はお伝えしていきます。
そもそもぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは、通称名であって、正式には「急性腰痛症」と言われています。
重い物を持ち上げたり、何気ない動作でグキッと衝撃が走り痛めることが多く、ひどい場合は歩くことも困難になります。
ただ、ぎっくり腰と一口で言っても痛みを出している組織は様々です。
痛みを出す組織として以下のようなものがあります。
・筋筋膜性由来
・椎間関節由来
・椎間板由来
・仙腸関節由来
・神経由来
よく現場でみられるのはこのあたりです。
それぞれアプローチの方法が違い、痛めた組織に合わせたアプローチが必要になります。
しかし、どの症状にもほぼ共通してみられることがあります。
それが、ぎっくり腰を繰り返す大きな要因の1つになっています。
繰り返す原因はインナーマッスルの機能低下
インナーマッスルとは腹圧を高めて体幹を安定させる筋肉のことです。
腰で言うと多裂筋、腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群で、インナーユニットとも言われています。
これらの筋肉が機能することで腰や骨盤が安定し動きの中で腰の筋肉や関節への負担を減らしてくれています。
また、手足の根元である体幹が安定することで、手足に効率よく力が伝わり動きがスムーズになります。
日常生活動作の改善やスポーツでのパフォーマンスUPにもつながります。
どのインナーマッスルも重要なのですが腰痛で特に重要なのが多裂筋と腹横筋です。
多裂筋に関しては、一度腰を痛めてしまうと力が入りにくくなり、痛みが落ち着いてからも萎縮が進んでしまうと言われています。
インナーマッスルとは、本来意識的に動かすのではなく、無意識的に働く筋肉です。
例えば何か物を持とうとする時に、物を持ち上げようとする前に反射的にインナーマッスルは働いているのです。
土台である体幹を安定させ、腕や脚の力を入れやすくする為です。
大きなビルを建てる時に、鉄骨などを持ち上げるクレーン車がありますよね。
あのクレーン車も土台がしっかりしていないと物を持ち上げた時に倒れてしまいます。クレーン車でいう土台の部分が、人の身体で言う体幹になるのです。
その体幹が安定せずに物を持ち上げたりすると力が入りずらかったり、腰に負担がかかりやすくなってしまうのです。
一度機能が低下したインナーマッスルは、日常生活の中では機能が回復しません。
インナーマッスルに特化したトレーニングを行わないといけません。
トレーニングを行わずに、インナーマッスルの機能が低下したまま日常生活を送っているとまた腰に負荷が積み重なり、何気ない動きでぎっくり腰になてしまうのです。
インナーマッスルの機能を改善させるには?
インナーマッスルの機能を改善させるには段階があります。
まず、インナーマッスルに力が入っているのかの確認が必要になります。
インナーマッスルに力が入っていない状態で、いわゆる体幹トレーニングを行っても外側の大きな筋肉(アウターマッスル)で代償してしまい、なかなかインナーマッスルに効いてきません。
なので、まずはインナーマッスルの使い方を身体に思い出させることが必要になります。
インナーマッスルが使えるようになったら、座位から立位、そして動きを入れながらという形で、段階を踏んでトレーニングを繰り返し行い、身体にインナーマッスルの使い方を定着させていきます。
よくインナーマッスルのトレーニングで電気刺激で強くするといった機械があります。
悪いわけではないのですが、機械だけでの刺激では機能的に使えるようになるのは難しいです。
機能的にインナーマッスルを改善するには、座位や立位、動作を入れて固有受容器などの感覚神経と連動させたトレーニングが必要になります。
トレーニングで身体にインナーマッスルの使い方が定着してしまえば日常生活の中でも無意識で働きやすくなり、ぎっくり腰の予防の1つになります。
そこで、自分でできる初歩的なインナーマッスルのトレーニングを動画でご紹介いたします。
腹横筋のトレーニング👇
多裂筋のトレーニング👇
※今のお身体の状態に合わない場合もございます。
トレーニング中やトレーニング後に悪化するなどの症状が見られる場合は、一旦中止して専門の先生にご相談ください。